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解雇予告通知書とは?解雇通知書との違いと解雇までの流れを解説!
2023年02月01日
「問題ばかり起こす従業員を解雇したいけど手順がわからない」
「解雇予告通知書はどのタイミングで渡せばよいのか知りたい」
「解雇予告通知書と解雇通知書の違いがわからない」
問題のある従業員をかかえる上司に悩みは尽きません。
しかし、会社が従業員を解雇するには、法律に則った対応をしなければなりません。
法律を無視して解雇すれば『不当解雇』で訴訟や多額の賠償金を支払うリスクもあります。
上記のトラブルが起きないために、法律に則った解雇の手続きが重要です。
本記事では、解雇をする際に必要な解雇予告通知書について詳しく解説します。
解雇通知書との違いや解雇までの流れを説明しますので、最後まで記事をご覧ください。
【解雇予告通知書】事前に伝える手続きの1つ
解雇予告通知書は、解雇する前に従業員に伝える手続きの1つです。
従業員を解雇するときは、労働基準法第20条にそって解雇日の30日以上前に解雇予告をしなければなりません。
解雇予告通知書には以下の内容を記載します。
● 解雇通知書作成日
● 解雇日
● 解雇理由
● 就業規則の条文(解雇理由を定めた条文)
従業員とのトラブルを避けるために、解雇理由は具体的に記載するとよいでしょう。
【解雇予告通知書】解雇通知書は渡す時期が違う
解雇予告通知書と解雇通知書は似ていますが、渡す時期が異なります。
● 解雇予告通知書 ⇒ 解雇日の30日以上前に対象者へ渡す
● 解雇通知書 ⇒ 解雇日に対象者へ渡す
なお、即日解雇する際は、労働基準法第20条により解雇予告手当の支払い義務が生じます。
【解雇予告通知書】渡しても無効となる代表的な2つのケース
解雇予告通知書を渡せば、従業員を解雇できる訳ではありません。
書面を従業員に提示しても、無効となるケースがあるからです。
ここでは、解雇予告をしても無効となるケースを2つ紹介します。
①法律違反になる場合
従業員を解雇する際、法律違反になるケースがあります。
男女雇用機会均等法第9条に抵触する場合です。
上記の法律により、下記の従業員を『不当な扱い』から保護しています。
● 妊娠
● 出産
● 育児休業等
女性の出産が関わる場合は解雇ができません。
女性の解雇ではなく産休や産後休業で対応するのが一般的です。
②労働基準監督署がみとめない場合
解雇が無効となるケースの2つ目は、労働基準監督署がみとめない場合です。
労働契約法第16条には解雇について下記の条文があります。
(解雇) 第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。(※1)参照:e-GOV 労働契約法第16条 |
労働契約法により解雇に制限がかかっているので、簡単には解雇できなくなっています。
会社が従業員を解雇したくても否認されれば解雇はできません。
非常識な事由では『不当解雇』で訴訟される可能性も
従業員に解雇を伝えて納得できなければ、『不当解雇』で訴えられる可能性があります。
不当解雇の具体例として、訴訟に発展した判例を紹介します。
事件のあらまし
● 正社員として採用されたA氏が下記理由で解雇された
1. 能力が低い
2. スキル向上の見込みがない
3. 積極性がない
4. 協調性がない
5. 自己中心的
● A氏は解雇を不服とし、地位保全・賃金仮払いの処分を申し立てた
● 会社の就業規則(解雇事由)には、上記理由の条文はなかった
判決
不当解雇として解雇無効の判決
判決の理由
● 能力が低い、スキルの向上が見込めないなどの理由では、解雇事由が有効とはいえない
● 就業規則の解雇事由に能力不足などの記載がないため、解雇事由にあたらない
● 人事考課は相対評価のため、能力不足・スキル向上の見込みがないとはいいがたい
判例にもある通り、従業員を解雇するには有効な事由が必要です。
訴訟になっている事案もあるので、解雇は慎重に判断する必要があります。
【解雇予告通知書】事前に退職勧奨をすすめる3つのポイント
従業員を解雇するのは訴訟や金銭問題に発展しかねません。
会社としてはできる限りトラブルなく対応したいところです。
そのため、解雇を伝える前に退職勧奨をするのが一般的な流れといえます。
ここでは、退職勧奨を従業員にすすめる3つのポイントを解説します。
指導してきた詳細を伝える
1つ目のポイントは、過去の指導記録をこまかく伝えます。
指導した記録を残しておけば、従業員に対して教育した証明になるからです。
具体的には
● 面談した日時
● 面談者
● 指導した内容
上記3点を記録に残しておけば、相手にわかりやすく説明できます。
就業している方の話も聞いておく
2つ目のポイントは、職場の方々に話を聞いて情報を集めます。
上司の意見だけではなく、まわりの評価があれば本人の理解度も高まるからです。
まわりの意見を聞くときは、バランスよく情報を集めましょう。
上司の好みで意見を集めたと疑われないためです。
会社の総意だと理解してもらう
退職勧奨をする際は、会社の総意だと説明しましょう。
上司の一存で退職させると誤解されないためです。
会社の総意と理解してもらうために、退職勧奨通知書の作成をおすすめします。
書面に会社名・代表者氏名などを記載すれば、会社の総意と理解してもらえるでしょう。
まとめ
今回は解雇予告通知書について解説しました。
解雇予告通知書は解雇通知書と名前は似ていますが、渡す時期や内容が異なるので注意が必要です。
また、解雇させるには労働基準監督署の承認を得るのが条件になっています。
最近では『不当解雇』と訴訟になるケースも増えています。
解雇が正当な理由と証拠をそろえてから、行使した方がよいでしょう。