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社内規定とは?作成・運用方法や就業規則との違いを解説
2023年10月13日
社内規定とは、会社内で従業員が守るルールです。
会社の規模が大きいほど作成するメリットは大きくなります。
その一方で、作成方法や運用方法に悩む方もいるでしょう。
今回は、社内規定の概要や作成方法、就業規則との違いを紹介します。
これから会社を立ち上げる方はもちろん、従業員が増えて社内規定の作成が必要になった方も参考にしてください。
社内規定とは何か
社内規定とは、会社が独自で定めた数々の決まりです。
「人事考課規定」や「賃金規定」といった細かい決まりや、業務マニュアルなども社内規定の一種といえるでしょう。
社内の秩序を統制する目的で作成され、組織体制や会社の文化形成のために重要な意味を持ちます。
社内規定に違反した従業員は、法の範囲内で会社はペナルティを与えられます。
労働者の権利を保障する法律に「労働基準法」がありますが、それだけでは会社で働くルールとしては不十分です。
社内規定は会社で従業員がルールを守りながらスムーズに働くための決まり、ともいえるでしょう。
自由に働いてこそ結果が出る仕事もありますが、ある程度ルールが定まっていた方が上手くいく仕事もたくさんあります。
社内規定と就業規則の違い
社内規定と似たような役割を持つ決まりに、就業規則があります。
就業規則と社内規定との違いは以下のとおりです。
社内規定 |
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就業規則 |
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就業規則は社内規定の一部といった認識ですが、労働基準監督署への提出が義務づけられるなど、特殊性があります。
なお、社内規定は会社が必要ないと考え、特に不都合がなければ従業員が何人いようと作成しなくても大丈夫です。
また、社内規定は作成のルールはないので、会社が自由に作成できます。
社内規定作成の流れ
ここでは、社内規定作成の基本的な流れを解説します。
初めて社内規定を作成する方は、参考にしてください。
責任者を決めて作成事項をピックアップする
まずは、社内規定作成の責任者を決めます。
社内規定は会社によっては膨大な量になるため、作成に人手と時間が必要な場合もあるでしょう。
作成を統括して進行状況を把握し、必要に応じて指示を出す人間が必要です。
責任者が決まったら、社内規定にどのような内容を盛り込むかピックアップします。
また、作成のマニュアルが必要ならば作成しましょう。
多くの人間が作成に関わるほど、作業方法の周知や統一のためにマニュアルが必要になります。
草案を作成して専門家にチェックを依頼する
社内規定は経営者を含めた従業員全員が守らなければならないルールであり、法律に反する内容は盛り込めません。
草案を作成したら、社会保険労務士や弁護士、司法書士などに法律に反していないかチェックしてもらいましょう。
専門家のチェックが終わったら、今度は社内でチェックします。
必要な事項が抜けていないか、不必要な事項が記載されていないかなど複数の人間が繰り返しチェックして、草案を完成原稿へ近づけていきましょう。
必要ならば、作成に関わっている従業員だけでなくルールに関わる部署の従業員から意見を聞いてください。
なお、社内チェックが終わってから専門家のチェックを受けてもかまいません。
正式に書面として社内規定を作成する
社内規定の原稿が完成したら、正式な書面として書き起こします。
誤字脱字はもちろん、いい回しなどが間違っていないか数値が異なっていないか、複数の人間で確認しましょう。
なお、社内規定は印刷して保管しておく必要はありません。
電子データとしてサーバーなどに保管しておいてもいいでしょう。
ただし、必要なときに必要な部分をすぐに取り出せるようにしておいてください。
従業員に社内規定を周知徹底する
社内規定は作成しただけでは意味がありません。
従業員に周知徹底しましょう。
社内規定には全従業員が守らなければならない項目と、特定の部署で働く従業員だけが知っていれば大丈夫な項目があります。
どの項目を誰に周知するかもマニュアル化しておくと便利です。
なお、就業規則同様に社内規定も定期的な見直しや変更が必要です。
社内規定が形骸化しないように、定期的にチェックしましょう。
また、従業員から社内規定の改変を望む声が上がったり、法律が変わったりした際も見直しが必要です。
まとめ
社内規定は作成しなくても罰則等はありませんが、作成しておけば従業員が安心してスムーズに仕事ができます。
従業員が10人未満の会社であっても、作成しておけば何かと便利です。
事業所が複数ある会社ならば、大元の社内規定を本社が作り、それに沿って事業所独自の規定を作るなど工夫してもいいでしょう。
社内規定があれば、何か起きたときもそれに沿って処遇を決めればいいので対処が簡単になります。